現在、日本政府は、2016年度から「外国人技能実習制度」でも技能を学ぶ実習生として介護人材を受け入れる方針です。
「外国人介護士に在留資格…「5年以内」で検討」
http://www.yomiuri.co.jp/politics/20150202-OYT1T50070.html
ただ外国人の労働に関しては、この実習制度を悪用する日本企業があることも指摘されています。
「「実習制度」の正体」
http://g2.kodansha.co.jp/38133/38256/39431/39432.html
実際、私が新聞記者をしていた7年ほど前、すでに日本各地で、実習生を実質労働者として働かされている実態が記事になっていました。当時中国人実習生に対して、時給は300円だったことが記憶されています。
そうした日本の労働環境は世界に知られており、アメリカでは以下のような報告書があります。
「2014年人身売買報告書(日本に関する部分)」
http://japanese.japan.usembassy.gov/j/p/tpj-20140718-01.html
その中ではっきりと、
「日本は、強制労働および性的搾取の人身取引の被害者である男女、および性的搾取の人身取引の被害者である児童が送られる国であり、被害者の供給・通過国である」
と書かれており、「外国人技能実習制度」についても、
「日本政府は、実務と政策のいずれを通じても、政府が運営するTTIPにおける強制労働の利用を終わらせることはなかった。この制度は当初、外国人労働者の基本的な産業上の技能・技術を育成することを目的としていたが、むしろ臨時労働者事業となった。」
と書かれています。なかなかショッキングですよね。
前回のブログ(「日本で働く外国人介護士 ②課題 マネジメントと働き手の視点」http://yoshi-jpn.com/2796/ )でも書きましたが、日本は働く国としての魅力は下がってきています。
客観的に世界の状況を俯瞰し、そのために実効的な政策を打ち立てないと、日本で働いた人たちが帰国した際に、彼らの口から日本の労働環境に関するマイナスのイメージが広がることになるのではないでしょうか。結局、そうした認識の広がりが未来をつくっていくと感じます。私は過去の日本人の方々がつくってきた功績で、日本人としての恩恵を受けていると、強く感じるのです。
世界は常に変わっています。そのことを認識し、学び続けなければ、現状にあった政策・マネジメントはできないのではないかと思っています。この高齢者介護の問題はかなり差し迫った問題にも関わらず、それに対する政策の対応が非常に遅れていることを感じましたので、少し書き留めてみました。
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