新聞記者になりたいあなたへ②

新聞記者になりたいあなたへ②

前回(ブログ「新聞記者になりたいあなたへ①」http://yoshi-jpn.com/686/)は、記者には、学ぶ習慣化、視野の広さ、そして聞く力が大切ではないかとお伝えしました。今日は、学生時代に毎日4紙を読むのはしんどいですよ、時間もったいないですよ、という部分です。

 

改めて、4紙を毎日きちんと読むのはほんとに辛い(私は他に4紙ほど専門紙に目を通していました。あくまで見出しや一部記事に目を通していただけで、読んでいません)です。入社したとき、編集局長が言いました。「君たちの仕事の半分は、新聞を毎日読むことだ」と。その時は「いやいや、当たりまえでしょ(笑) で、それ簡単でしょ」と、同期と笑って聞いていました。

 

ただ半年後には気づくのです。「新聞毎日読むの、むちゃしんどい」。なぜなら学生の時に読んでいるレベルと、プロとして読み込むレベルは全く違うからです。

 

例えば、記者の多くの方は、朝刊がない日にこう感じます。「あれ、今日朝刊なかったっけ」っていう驚きと、「やった、読まなくていい」という解放感(笑) そしていつも通り朝早く起きたものの何をしたらいいかよくわからない行き場のない感じ(笑) それぐらい記者になれば、新聞読むのは習慣になります。

 

また私は言葉を見ると、ずっとその文字数を数えていました。編集の見出しをつける作業の影響です。ポスターはもちろん、段ボールの文字、本の背表紙、テレビの字幕など、あらゆるものの文字数を数え、見出しをつくり続けます。こういう言葉に変えれば文字数減らせるとか、こういう語順の方が良いとか。これを自然にずーーーっとやります。なので、プライベートもすごく疲れます。。。家族がそれを見て大爆笑していましたが。職業病ですね。。。

 

写真はマニラの空港の案内板ですが、こういった文字数を数え続けるのですね。ね、考えるだけで疲れますよね。。。

 

あとほとんどの人が、編集作業が終わらない夢にうなされます(笑)

 

実際の編集作業中は、ある原稿が上司から手渡されたとします。その時上司は「それ読●に載っていたよな。同じ見出しにならないように」みたいな感じです。「見出し、どうやったっけ?」ってなったら負けです。記事なんていくつあるの?というぐらい毎日載ってますよね。そんな努力、学生で記者になれるかどうかわからないときから頑張れます?NOでしょ。給料もらえるから頑張れるのです。時間も物凄く使います。「時は金なり」なわけで、記者になれるかも保障されてないのに、貴重な時間を使う必要ないというのが私の意見です。

 

なので、学生の方は、社会にアンテナを張って、普通にめちゃめちゃ勉強していたらいいんです。どの業界でも働けるように。その中で必要なら新聞も読めばいいのです。それで新聞社に選ばれなかったら、それまでです。記者になるための勉強とか時間の無駄です。結局相手が選ぶかどうかで、なれるかわからないんですから。新聞サークルにいた友人たちは、軒並み書類すら通らなかったので。

 

私は、自分は記者向きだと思っていましたが、「この仕事(当時は編集)向いてない」とよくぼやいていました。愚痴です(笑) その時同期に「子どもじゃないんだから、仕事に合うように振る舞わないとあかんやん」と説教されていました。ごもっとも(笑) ただその時も私はこう言っていました。

 

「仕事は所詮仕事やん。もちろん一生懸命はやるよ、プロとして。でも僕の人格を完全に殺してまで合わす必要なんてないねん。僕は記者になるために生まれてきたわけやないんやから。やりたいことをするのに、記者が近いイメージやから選らんだだけ。自分をほとんど殺さなあかんのやったら、仕事を選び間違ってんねん。」

 

で、結果こんな感じです(笑)

 

ただ自分のやりたくないことでもやらざえるをえないという状況というのは、物凄く自分を成長させてくれるとも思っています。バランスの問題ですね。

 

また実際、記者になったらわかるのですが、学生が語るジャーナリズム論みたいなもん、青臭すぎて全然記者をしている面接官になど響きません。ちなみに面接官は記者ですよ!

 

そんな「記者なんちゃって論」を唱えるために、自分の貴重な大学生活を使うのではなく、実際に社会で広く求められている能力を身につけたり、やりたいことを他の人に負けないだけ頑張ったりし、それを伝えることの方が魅力ある人間に映ると思います。これはどの業界でも同じではないかと思います。もちろん基礎的な業界の知識は大前提ですが。

 

私のブログ記事に「20年後を考え、記者を辞めました」http://yoshi-jpn.com/496/もあります。なぜ私が新聞記者を辞めたのかも書いていますので、ぜひ参考にし、それでもあなたが記者の仕事がしたいかの試金石にしてみてください。

 

最後に少し話はそれますが、2年弱前に初めてフィリピンに来る際、記者時代の上司に「ミンダナオの記事書いたら会社から金出すぞ」と冗談半分に言われました。もちろん「いや、記者辞めて記事に命を張ってるって訳がわからないです」とお断りしましたけど(笑) 危険すぎるでしょ。。。

 

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