2016年5月に予定される次期大統領に向けて、現アキノ大統領が後継に内務相ロハス氏を指名したことが報道されました。
「アキノ氏、次期大統領候補にロハス内務相を指名[政治]」
http://news.nna.jp/free/news/20150803php005A.html
よく考えると、やはりフィリピンの政治に詳しくない自分がいるので、少し情報を集めてみたのでシェアいたします。フィリピンのベテランの方の参考にはならないかと思いますので、あしからず。。。ちなみに、地方選に絡むような地方の政治はこちらのブログに書いています(ブログ「フィリピン政治に関するメモ ①行政区分と長」http://yoshi-jpn.com/2727/、「フィリピン政治に関するメモ ②選挙」http://yoshi-jpn.com/2729/)。
フィリピン大統領の任期は6年、再選禁止。20年以上に渡る長期マルコス政権が、1986年に倒されるまでの一連の過程をピープル・パワー革命と呼び、その長期マルコス政権への反省から大統領の再選が禁止されています。ちなみに、この革命の中で、政権に抗議する100万の群衆が集まったマニラのエピファニオ・デ・ロス・サントス大通り (スペイン語: Epifanio de los Santos Avenue)から「エドゥサ革命」とも呼ばれているそうですが、あくまでも一部を指していると考えられるため、全体を評する際には「ピープル・パワー革命」と呼ばれているそうです。また現アキノ大統領に継続してほしいという声も大きいけれども、この6年の制約がその可能性をなくす結果になっています。
またフィリピンは、大統領選と副大統領選がそれぞれ別のものとして実施されます。なので、そこでは政治的な戦略が絡んでおり、前回の選挙では、現アキノ大統領―内務相ロハス氏は組んで、アキノ氏は大統領選に、ロハス氏は副大統領選に出馬していました。なので、今回の指名はそうした背景があるわけですね。
それでもロハス氏の6月現在での支持率は高くなく、フィリピンの民間調査会社パルス・アジアの発表している、2014年11月、2015年3月・6月の、次期大統領候補者の支持率をグラフにするとこのような形になります。
まずトップは、グレース・ポー上院議員。ポー氏は、2010年~2012年までMovie and Television Review and Classification Board (MTRCB)の議長として勤めた後、上院議員に出馬し当選。ちなみに写真はこちら。
次点が、ビナイ現副大統領。フィリピンでは、歴史的に副大統領が大統領になるケースが多く、支持率も高かったのですが、マニラ市長だった当時の汚職疑惑が持ち上がり、支持率が低下しているのが現在。写真はこちら。
第3位は現ダバオ・ドゥテルテ副市長。こちらは先日、ブログで書きましたので、ご興味ある方はブログ「“武闘派”ダバオ副市長は次期大統領の候補@フィリピン」http://yoshi-jpn.com/3343/をチェックしてみてください。写真はこちら。
そして今回大統領から指名を受けたロハス氏は6月時点では第4位。2012年から現在まで内務相を勤めています。そして前回の大統領選では、アキノ大統領の出馬を受け、立候補をやめ、副大統領選に出馬するも敗れています。写真はこちら。
第5位はエストラダ元大統領(現マニラ市長)。1998年に大統領に当選するも、不正蓄財疑惑で議会に糾弾され、6年の人気の大半を残して2000年に退陣。前回は、エストラダ氏―ビナイ氏が組んで、それぞれ大統領選、副大統領選に挑み、ビナイ氏は副大統領で当選するも、自身はアキノ氏に敗れています。それでも25%以上の支持を受け、第2位。写真はこちら。
次の大統領は、フィリピンが飛躍できるのか失速するのかを決めるので、フィリピンにとって非常に大きな選挙になると思います。フィリピンに関わっている者としては非常に気になります。あとはこのブログを読んでくれた方に、フィリピンの大統領選の構造が少しでも伝わればと思います。フィリピンのことを知っていきましょうー
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