カンボジアで、売春をしていた女性が、強制的に裁縫工場で働かせられるが、結果的に売春の方がマシだと戻っていく内容の映像をみつけました。
「ファストファッションの代償」
http://xbrand.yahoo.co.jp/category/video/15971/1.html
フィリピンにも似たような状況があり、ここには綺麗事では片付けられない現実が描かれています。彼らの月給は安く、家族に仕送りするのには十分ではないからです。
映像では、カンボジアの最低賃金は月80$と出てきます。日本円では1万円ほどになる額です。フィリピンでも、法定賃金(日給900円ほど)を下回る仕事はたくさんあり、多くの人はそれに従事しています。それ以外に選択がないからです。だからこそ、家族に大黒柱がいれば、働かない人たちも生まれてきてしまいます(ブログ「50万円稼ぐフィリピン人」http://yoshi-jpn.com/2323/ )。働くのがバカらしくなるからです。
ただ個人的に思うことは、こうした事象は、貧しい国に限らず、日本を含む先進国でも起こっているということです。ただそのことを知らないだけではないでしょうか(ブログ「伝統的な制裁としての「レイプ」と、強要されるAV出演」http://yoshi-jpn.com/2389/ )。そしてそうした事象は、どの国にも例外なく、広がってきていると感じています。
そして私も含め、多くの人が、そうした状況の恩恵を受けて、安くて良い暮らしができているということです。なので、一概に、こうした事象とファストファッションを結び付け、その存在を批判するスタンスには懐疑的にならざるをえません。私もそうした事象の片棒を担いでいるのだと思うからです。そして働く側も、一度安易にお金が手に入る方法を知ったならば、厳しい労働に従事することは難しいでしょう。
なので、安さや便利ばかりを求めると、その裏に絶対に不幸な人を生み出します(ブログ「「24時間サービスを褒める人」が「住みにくい日本」に加担する」http://yoshi-jpn.com/1718/)。そんなことを日本でも、アジアでも、強く感じるようになりました。なので、大事なことは、ただ悪役を作り上げ批判をするのではなく、一人一人が、つくりたい社会に対してコミットすべきなのだと思うのです。
「(何もしなくても)自分にとって素晴らしい状況を用意してくれる人は世界のどこにもいない」ということを知る一方で、「誰かにとって暮らしやすい社会をつくる」と多くの人がアクションできると、社会は今より良くなるはず。ただ社会の溝に落ち込んだ人は、一人では立ち上がるには非常に厳しい、決して私たちは平等などではない。そんなふうに思わせる映像でした。
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