最近まで知らなかったこと。それは、フィリピンでは、選挙を2度連続で投票しなければ、投票権がバランガイからはく奪されるということです。そしてそれを再度取得するのにはかなり手間がかかるそうです。
なるほど。それは選挙を「権利」と考えるか、「義務」と考えるかで、「マス(大衆)」とのやり取りが必須の現代社会では、大きな違いが生まれうることを示唆していると感じました。
1、「義務」にすることで、投票率と関心が確実に上がる
2、「選挙があるので、地元に帰らないといけないので、仕事休みます」の意味
日本は、完全に選挙権は「権利」の国。理想をいえば、強制されずに、自主的に投票にいくならば、こちらの方が当然いいと思うのですが、どんどん投票率が低くなっているのも現実。
私の地元、徳島県の中心都市「徳島市」で先日市長選が行われました。投票率は45%。低いなと思ったのですが、驚いたのは、45%という投票率は、前回から比べて20%投票率が回復したという話。つまり、前回は25%。それが示すのは4分の1の人の投票で代表が決まるということです。
それに比べると、半ば強制的かもしれませんが、フィリピンのやり方もありなのかもしれないなと感じました。
そして4年前に現地採用で働いたとき、選挙がありました。その際に、従業員から受けた相談が2点目の言葉で、当時は「おこづかい」として、各候補からの賄賂を受け取るために、帰るものだとばかり思っていたからです。もちろんこれも大きな理由だろうとは思うのですが、「投票権」も関わっているのだなと今回はじめて知りました。
4年前は選挙前日に突然、フィリピン人従業員に「明日選挙なので、仕事休みます」と言われ、特に選挙が必須ではない日本人の感覚で、「いや、たかが選挙だし、しかも明日休むって無理でしょ」と対応したのですが、自分が想定していなかったこうした問題もあったのだなと。
そして自分でも書いていますが「たかが選挙」と思ってしまっている自分。あくまで「権利」としての理解。そう考えると、日本でも「義務」として選挙制度をつくり直すことも有効な手ではないかと思いました。
ただし実際には、無党派層が投票しなければしないほど、選挙は与党が有利になるので、無党派層が勝敗の大きな要因になりうる「選挙の義務化」のような話は、与党からは絶対に出ない話かなとは思いますけど。
現在、大統領候補としてはドゥテルテ氏、副大統領候補としてはマルコス氏が、それぞれリードしているフィリピンの大統領選。5月9日の選挙日がそこまで来ています。
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