3月16日に行われた調査によると、過半数を超えるフィリピン人がアキノ大統領政権下で「生活の質は向上しなかった」と回答しているとするニュースを見つけました。
「54% of Pinoys say quality of life unchanged under Noy – poll」
調査は、携帯で、766人に対して行われたもの。
まずは、生活の質が向上したかどうかについて。
アキノ大統領のもとで、54%の人が「生活の質が向上しなかった」という多数派。その一方、アロヨ大統領政権に比べると、36%が「良くなった」とし、6%が「悪くなった」と回答したそう。そして6%が「わからない」と答えています。
次にアキノ政権に対する「満足度」。
11%が「とても満足」、31%が「満足」、20%が「どちらともいえない」、17%が「不満」で、20%が「とても不満」だそう。
そして3月15日に行われた別の調査の結果は、
59%が「(アキノ大統領の)政治運営はクリーン」。それに対して、21%が「クリーンではない」、19%が「どちらともいえない」と回答したそう。
そしてこの調査に回答した人の55%は、アキノ大統領の政策を引き継ぐ候補として「ロハス氏」を選んでいるとのこと。
私が感じた引っ掛かりについてシェアします。
1、過半数が「生活の質が向上しなかった」と回答
経済成長する反面、相対的に、アジアの他の国に比べ、それが給与の上昇に反映されていないフィリピンでは、多くの人が豊かになっているとは実感していないと感じても不思議ではないのかなと。
2、それでもどちらかといえば「満足」
それでもアキノ大統領の政治運営を「クリーン」だと過半数の人が回答しており、ほぼ半々ではありますが、やや「満足」に傾いている結果。少なくとも汚職のイメージがなく、「まあまあかな」という印象。
3、アキノ大統領の評価がそれほど高くないことが、「後継」と見られているロハス氏の低評価につながっている
外国人の私から見ていると、アキノ大統領のフィリピンへの貢献は非常に大きなものがあったと思っています。そのため、その後継に指名されたロハス氏が、それほど支持層を伸ばしていかない理由がわかりませんでした。
この結果から見えたことは、「アキノ大統領の政策=良い」と考えている私の考えは、フィリピン人の多数派に支持されているものでは決してなく、その背後には、まだまだそうした経済の恩恵を受けない貧しい生活環境にあるフィリピン人たちがいることが想像できます。これはジプニーの運転手の稼ぎなどを見ていれば、わかるはず。そしてそれは、なぜ汚職疑惑のあるビナイ氏がいまだに強く支持されているのかと表裏一体であるとも感じています(ブログ「フィリピン大統領選 ビナイ氏の支持層・ドゥテルテ氏の支持率急落の裏にあるフィリピンのドラッグ問題」http://yoshi-jpn.com/3670/)。
今回のフィリピン大統領選の過程で、一歩深くフィリピンを理解することができたように思います。以前、フィリピンの政治について少しまとめているので、興味ある方はこちらをどうぞ(ブログ「フィリピンとセブ島の政治をおさらい!2016年フィリピン大統領選に向け、セブ島の事情も含め、政治体制・行政区分(行政の長)・政党・候補者・現在の状況などについて調べてみた。」http://yoshi-jpn.com/3728/)。
それでもフィリピンは、とにかく小さな島の集合であり、だからこその、正式名称「The」Philippine「s」なので、今後もより多くのサンプルを見つめながら、フィリピン探究を頑張りまーす。
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