円ドルが1ドル=125円付近で停滞している中、円ペソでは少しずつ円が高くなっています。そしてそれには中国の人民元の切り下げが影響しているとのこと。
http://markethack.net/archives/51976753.html
ただそもそも人民元のことがよくわからず、あまり状況がよくわからないので少しまとめたことをシェアします。
まず現在の人民元の対ドル為替レートは、1ドル=6.3928元。
10日ほど前の8月7日時点では、1ドル=6.216元。
わずか1週間で2.8%の差。
そして人民元を切り上げると、人民元の価値があがり、
人民元を切り下げると、人民元の価値がさがるとのこと。
そして数字を実際に想定してみて考えると、
仮に人民元を50%切り上げた場合、1ドル=6.3928元が1ドル=4.262元になり、
逆に人民元を50%切り下げた場合、1ドル=6.3928元が1ドル=12.784元になります。
元の切り上げが円高、切り下げが円安に対応する形ですね。つまり、基本的には円と同じように原理が働くといえそうです。
ただしその他に現在の人民元ではポイントがあり、
1、中国は完全変動相場制ではなく、管理変動相場制
2、米国外のノンバンクの米ドル建て債務が増え、中国が一定割合を占める
などが挙げられるとのこと。
「中国人民元切り下げの衝撃~その意味を考える」
http://bylines.news.yahoo.co.jp/kodamakatsuya/20150814-00048474/
まずは1の点を見ていきますが、中国は、為替相場を、市場に完全に任せるわけではなく、いざという時には、政府が直接介入ができる制度をとっています。ただこれまでは、中国の経済が成長し、ずっと元の切り上げで推移してきたため、それほど問題にされてきていないわけです。
しかしこの度、輸出が停滞し、輸出を伸ばしたいとのことで、中国政府は元の切り下げに踏み切ったようです。日本も全く同じで、円安をすすめることで輸出を伸ばしています。外国人旅行者が増えているのも、円安が重要な1つの要素ですよね。
これの何が問題かというと、前出の管理変動相場制であること、「人民元は上がるもの」という考えが市場で揺らぐことが相まって、人民元への不信感が一気に広がることが懸念されています。
そこに上記の2の問題が絡まって、新興国などにも大きく影響が出てきているのが現在の話です。
http://markethack.net/archives/51976753.html
先程の記事を再度チェックしますが、リーマンショック以降、米国外のノンバンクの米ドル建て債務が増えています。その米ドル建て債務の残高は、リーマンショック以降、それまでの5-6兆ドルから9兆ドルに膨れ、中国を含む新興国の額は、1.9兆から3.3兆に増えているとのことです。そしてこの大部分を中国が占めているとのことが書かれています。
用語をチェックすると、米ドル建て債務とは、借りたお金を返す際にドルで支払うことを意味していて、ノンバンクとは、銀行以外で貸金融業を営む金融会社のこと。
そうした際に、人民元を切り下げると、人民元の価値が下がり、ドルの価値が相対的に上がるわけですよね。つまり債務を持つ人にとっては、借金が膨らむ仕組みです。なぜなら、ドルで借金を返すからですよね。なので、上記の計算では10日ほどで2.8%ほどの違いが出ているのだから、例えば、借金が1兆だとしたら、280億の借金がこの10日で増えた計算です。
そして他の新興国も、米ドル建ての債務を増やしてきており、中国の人民元の切り下げの結果ドル高になり、間接的にその影響が及ぶ状況になり、経済の低迷を予想して、為替で売りプレッシャーがかかり、為替の価値が低下しているんですね。
結果、対ドル比で見ると、円はそれほで大きな変化が見えないにも関わらず、ここ数日で、対ペソ比で円高が進んだ理由になっているようです。
中国はこれからも間違いなく成長するのだろうと思う反面、いろんなところに綻びがあり、一筋縄ではいかない国だなと。またこうしたことをチェックすると、世界の国々は依存し合って存立しているのだと改めて感じられます。
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