「これからの時代、英語は不可欠だ」「スキルの方が語学よりずっと大事だ」
英語を導入されるにあたって、必ず議論となり、そして平行線をたどる。もういい加減、この議論から一歩前に進みたいところ。私の基本的なスタンスとしては、スキルの方が語学より大事だとするスタンスだ。スキルは働く上で必要な事は、多くの人が同意していただけるように思う。
その中で、英語が必要かを分ける大きな基準は、「海外の人とやりとりがあり」「あなたの仕事のポジション(スキル)が、あなた抜きには仕事を進めることができないポジション(スキル)かどうか」だと思う。
つまり社長であれば、全く英語が喋れなくても、部下も必死に説明しなければならない。またあなたが抜きんでたスキルを持っている場合も同様だ。あなたの技術が世界一なら、世界中から人々があなたに会いにやって来るのだろう。そうした場合、語学は必須要素ではなくなる。
世の中に流れる言説で気を付けたいのは、それを誰が発言しているかだ。有名社長やすでに素晴らしいポジションで働いている方がそう言っているからと、ただの1社員にすぎないあなたが頷いていてはダメなわけだ。またこれはあくまで想定上で、実際社長がコミュニケーション言語を全く喋れないと、他の人がそれを担う必要がある。つまり社長は必要なくとも、少なくともその側近は必要になる。
そしてスキルに関してだが、気づいただろうか。そう。つまり他の人でまかなえるようなスキルの場合、そのスキルは相対的なものにすぎない。その場合、語学が足かせになり、多くの人があなたに仕事を頼まなくなる。考えてみればわかるが、抜群に抜きんでたスキルを持った人などそんなにいないはずだ。
私はフィリピンに2年半近く住んでいる。その間、アジアの情報もなるべく取り入れるようにしている。
まず私の現状認識として、これからアジアで仕事をするならば、常に「今この瞬間」と比べて、英語もしくは当地の言語が基本となっていくということ。
以前ならば、日本人であるだけで特別なポジションとして働け、語学ができなかろうが、従業員も必死に説明してくれただろうと思う。でも風向きは変わりつつある。この2年の間でも、その変化を強く感じる。日本企業も、費用がかかる駐在員よりも現地採用を受け入れている。そうした時に、スキルも語学もない人材は、相当苦労する。
想像してほしい。例えば、あなたは英語が喋れるのに、あなたの直属の上司が全く英語が喋れないのだ。その場合、あなたはその上の上司に相談しないだろうか。また現状、アジアの国で、日系企業で働くような人材は、多くが現地のエリートだ(ブログ「盲点になっているアジア就職・現地採用の大変さ」http://yoshi-jpn.com/422/)。
まずスキルは大事だ。そして語学も足を引っ張らない程度にできないと、土俵にすら立てなくなる時代が来るかもしれない。今はまだ日本人メリットが有効だ。自分が将来、どういうポジションで働いているかを今真剣に考えてみることは、無意味なことではないかもしれない。
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