次期大統領が濃厚になりつつあるドゥテルテ氏を「フィリピン版トランプ」と各国が報じている状況が生まれています。日本では、「人気取り発言」として、アメリカのトランプ氏と、ドゥテルテ氏を並べて取り上げていたりもします。
「Philippines election: Rodrigo Duterte in quotes」
http://www.bbc.com/news/world-asia-36251094
それに対して、フィリピンに関わっている私は、少なくともドゥテルテ氏とトランプ氏を「人気取り」をする人として同列にならべていることに違和感を持っています。実際、上記の記事で、ドゥテルテ氏自身も違いを強調していますし、私の関わる範囲では、フィリピン人たちも違和感を感じています。
それは、重要な転機になった大統領候補者同士の討論会でもそうでしたが、ドゥテルテ氏が人気を得ていったのは、ドゥテルテ氏が「人気取り発言をしない」ことが、フィリピン人にウケたからです。逆に、自己アピールが行き過ぎたロハス氏は、フィリピンの「嫌な」エリートの部分が垣間見え、最後まで伸び悩んだと感じています。
そのため、フィリピン人たちは、海外での「フィリピン版トランプ」という枕詞を、違和感を感じながらも、「今までの政治家とは違う」という意味で、ポジティブに解釈しているように感じています。
現在のフィリピンで、ドゥテルテ氏が大統領になることが良いことかは正直私には見通せません(ブログ「ドゥテルテ氏がフィリピン大統領へ キーワードは「経済成長の不可避のフェーズ」と「政治不信」、「変化」を望んだフィリピン」http://yoshi-jpn.com/3924/)。それでも早速、ドゥテルテ氏のグループが、発表した8つの経済計画の方向性には、好感をもっています。
「Duterte's transition team bares 8-point economic plan」
8つの柱は以下。
1、現在のマクロ経済政策を踏襲する
2、官民協業をすすめ、雇用を創出する
3、海外投資家に向けた魅力のアピール
4、地方農家へのサポート
5、教育システムの強化と奨学金の充実
6、税制改革
7、条件付きの給付金
8、公的保険システムの拡充
特段何か珍しいものがなく、「現在の路線を踏襲」し、さらに海外投資家に言及しているあたりに、個人的に好感を持っています。
イメージが独り歩きする情報化社会。そのズレを自分というフィルタを通して、自分なりに解釈し、主体的な個人として生きる必要がありますねー
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