「ミドルクラスで家族中心の生活」を望むフィリピン人、約9割が「外国で働きたくない」

「ミドルクラスで家族中心の生活」を望むフィリピン人、約9割が「外国で働きたくない」

88%のフィリピン人が、外国ではなく、手に入る国内の仕事に就きたいと示しているニュースを見つけました。

「Most Pinoys do not want to work abroad」

http://www.philstar.com/headlines/2016/04/01/1568181/most-pinoys-do-not-want-work-abroad

前回のブログ(ブログ「7割超えるフィリピン人が故郷での就職を希望、6割が実際に就職」http://yoshi-jpn.com/3864/)と対になるような内容のニュース。

フィリピン人は「(豊かな生活ではなく)ミドルクラスで、家族中心の生活」を望んでいるとのこと。

そして79%のフィリピン人にとって、「シンプルで、快適な生活」とは「普通のサイズの家を持ち、日々の生活を過ごせる十分なお金と1台の車両があり、子どもを大学までやり、国内旅行ができる生活」とのこと。そしてすべての必要が満たされたなら、自身でビジネスを持ち、より家族で過ごす時間を増やしたいとのこと。

すごく短いニュースですが、フィリピン人を知る上で、非常に重要な情報が詰まっていると感じました。私自身が実感していたことが記事にまとまっているからです。

日本人の中には、「フィリピン人は海外に行きたい、働きたい」と誤解している人がいます。もちろん例外もあるのですが、それはお金のためであり、短期的なものだと考える方が、個人的な観察ではしっくりきていました。

なので、日本がフィリピン人に日本で働いてもらいたいと思っても、長期雇用は期待できない可能性が高いということです。日本は「国の安売り」で外国人を呼び込んでいるので、円安で相対的に賃金は安くなる一方なので、日本で働くメリットがどんどんなくなっていることを考えるとなおさらです。

そしてこの「ミドルクラスで、家族中心の生活」を望んでいるフィリピン人の人物像は、個人的に、なぜか馴染み深さすら感じました。そう、日本人の若い人も多くの人が似た考えではという気がしています。

日本で、過去とは大きく「幸せ」の定義を変える世代が出てきたことと、日本が国際競争力を失っていることは、表裏一体の現象だと思います。「根性の長時間労働」を武器にしてきた日本は、「ワークライフバランス」の世代では補完できないからです。

そしてこの日本の若い世代は、ヨーロッパなどのように、「ワークライフバランス」を前提とした「高い生産性」を実現する必要があり、これが達成できなければ、日本はフィリピンのような「安い賃金の労働国」に近づいていくことも十分起こるのかもしれません。

ただ個人的には、日本の若い世代は優秀な人も多いので、面白い未来も十分ありえるだろうとも思っています。もしフィリピンのような国になってしまうと、それ以降の世代は、超苦労することになりますよーーーーーーということで、踏ん張りどころです。

 

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