日本で働いていた当時。女性の出産前・出産後は各3カ月ぐらいずつ必要だと思い込んでいました。それが当たり前だったんですね、自分の意識の中で。そして現在、もっと伸ばそうという動きが日本であります。育休もそうですね。
ワーク・ライフ・バランス。
私自身は基本的に、この考え方には大賛成。前職で、女性の先輩たちが、子育てをしながら、男性社員と同じように働くことを求められているのを見て、「過酷過ぎるだろ。。。」と思ったもの。実際、先輩方は適当にうまく手を抜いているはずだと思っていました。そういうのがうまくごまかせない当時の私ぐらい働いていたら、人のことなど考えられないですからね。
そうした中で、ワーク・ライフ・バランスが大企業を中心に進むのは大変良いと思います。ただその背景には疑っていい事実があるとも感じています。
1、誰かがその犠牲になっている
2、ほんとに休暇を伸ばすことが良いことなのか
1に関しては、よく問題にされる他の正社員の業務が多くなるという点ではなく(これは会社がマネージメントできていないだけの話。)、非正規の活用などでカバーすることで保たれるなどしており、そこに闇が存在すること。例えば、大学で政治学を学ぶと、「ギリシャのように、政治が”市民”の生活の中心にあった」などとあり、それを大学の教授が目指すべき理想として話していたりするものですが、当時の”市民”はある種の特権階級であり、そこには奴隷の存在が無視されています。つまり奴隷がいて、そうした状況が成り立った点。非正規などの、ある意味犠牲があり、正社員の状況が保たれているということ。別にそれを批判しているわけではありません。実践的な選択だからです。ただ、あくまで”正社員”の状況がよくなっているだけかもしれないという視点の提供です。
2点目に関しては、フィリピンでは出産前・出産後で1カ月ずつの休暇が標準。なので、お腹が大きな状態でも働いているし、産んだらすぐに仕事を再開します。もちろん生活に困っているのもありますが。個人的には、こうしたフィリピン女性の頑張りが、フィリピン女性の社会進出を支えていると感じます。なので、「フィリピンは、日本より女性の地位が高い」とされていますが、一家の稼ぎ頭なので、それは当然ですよね。
そうした視点で見る時、また自分も経営している視点で見る時、例えば、出産するたびに6カ月も従業員にお仕事をしてもらえないのが標準になると、やはり長期雇用はしないということを考えざるをえないのも真実。別に1日の勤務時間は4時間とかでもいいので、完全休暇を伸ばさない視点があってもいいのかなと思います。
ワーク・ライフ・バランスも大事ですが、貢献・給料・バランスも大事ですからね。今後、日本の経済が縮小していくことを考えると、そうした考え方も必要だと思っています。
フィリピンという別のフィルターを通して、日本の常識を疑ってみることは非常にためになる気がしています。
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