前回のブログ(「日本で働く外国人介護士 ①現状」http://yoshi-jpn.com/2793/ )で、介護士の方の数が圧倒的に不足することはわかりました。
さらに実際に海外で働いていて思うことは、日本の経営者の外国人従業員への期待は過度な気がします。
「人手不足」と外国人(1) 「介護士・看護師受け入れ」はなぜ失敗したのか
http://www.huffingtonpost.jp/foresight/foreigner-nurse_b_5795004.html
よく聞く経営者の方の言葉に、「(介護士を)ここまで育てたのに」という言葉がよくあがりますが、正直聞いていて微妙です。結局、仕事をどうするかというのは個人の生き方に関わる部分であり、さらに個人的な経験では、日本は従業員が会社を辞めない傾向にありますが、その他の国は待遇が悪ければ辞めます。
また別の点では、以前と比べると、日本はそれほど働くのに魅力的な国ではないということです。
かつて「ジャパン・アズ・ナンバーワン」と言われた頃は、国によっては、外国人が日本で1年働けばそれだけで自国で家を建てられるほど、その給料は魅力的だったのです。
でもそれは過去の話。今はそれだけの力が円と日本にはありません(「韓国の若者の給料、日本を上回る アジアの人々は「海外旅行」望む」http://yoshi-jpn.com/2760/ )。それなのに、以前と同じような強気の態度をしているとすれば、それは到底、外国人の従業員が残っていくような会社にはならないのではないでしょうか。
実際に、日本で働くフィリピン人の話を何人か聞きましたが、「日本は旅行で行くのは最高だけど、働く場所ではないかな」という人は多いです。とくに仕事中心の価値観、労働時間の長さは問題だと考えられる傾向にあります。
また現在、介護士として受け入れる条件として「インドネシア・ベトナム・フィリピンの3か国で、看護師資格を有する人材」となっています。ここで忘れられているのが、働き手になる看護師の視点です。
看護師資格を有する人材に限定することは、受け入れ国として、介護の質を担保する狙いがあることは十分理解できるのですが、彼らの目線では、「看護師=介護士」にはならないことも知っていていいのかもしれません。これはニュースでインドネシアの方もインタビューに答えていましたが、実際にフィリピンでもフィリピン人たちはそう思っています。これは日本でも同じではないでしょうか。看護免許を持った人が、介護士として働きたいと思っているとは限らないでしょう。
課題をまとめると、以下のようなことが見えてきます。
・日本式のマネジメントでは外国人で働き続けられる人数は限られる
・日本は以前と比べ、金銭的メリットが失われている
・働き手の目線では「看護師=介護士」では決してない
この3点を直視し、ある一定の割合で去る人がいることを考慮した上で、外国人介護士の受け入れの割合をどこぐらいまで増やしていくのかが考えられるべきだと感じます。
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