シングルマザー 男が逃げた

シングルマザー 男が逃げた

フィリピン人男性だと思った方、すみません。これは日本人男性の話です。

 

NHKのクローズアップ現代でガールズ・プアという用語が使われ、少し話題になっているようです。

 

あしたが見えない ~深刻化する“若年女性”の貧困~

http://linkis.com/www.nhk.or.jp/gendai/UJtgG

 

シングルの若い女性が、深刻な貧困に直面しているという内容。年収は110万円。いつも思うことだが、新聞やNHKが報道することは、現場で起こっていることより、5年ぐらい遅いと感じる。記者当時、尊敬する上司の一人が言っていた。「新聞記者が報道するような段階では、すでにその事態はかなり進んでいる。新聞記者は最後に知る存在ぐらいに思っている方がいい」。まさにその通りだと思っている。

 

こういう問題をすでに知っていたこともあり、5年前当時、私は保育園を札幌につくろうと思ったわけだ。そしてこれぐらいの年収の人は、私たちより若い世代では、ある一定数いる。そのことを上の世代の多くは知らない。あなたたちの世代が、その値段で働かせているのに。そんなことを思う。

 

私は記者時代、アルコールがあまり飲めないが、飲む場は好きで、知らない飲み屋さんをいつも開拓していた。するといろんな職業の、いろんな考え方の人に会う。またお店で働く女の人たちの悩みを聞くのが多かった(笑) どうやら私は喋りやすいらしい。こちらも社会勉強になった。セブ島でもそんなことをしていた時期もある。

 

札幌で働いていたある日、いつものように、知らないお店に飲みに入った。そこで出会ったお店の女の子。彼女の歳は20歳だった。

 

「学生さん?」私がそう尋ねると、彼女は「違います」と答えた。「飲み屋さんで働くの大変じゃない?夜遅いし。変な客いるし(笑) なんでここで働こうと思ったの?」と。すると彼女は、一瞬ためらった後、こう話してくれた。

 

「私、2歳の子供がいるんです」
「え、さっき、20歳って言ったよね?そしたら17歳ぐらいで妊娠したってこと?」
「はい」
「そしたら旦那さんは?」
「いません」

 

少し無言の時間が流れる。

 

「そしたら今の時間、お子さんどうしてるの?」
「母が見てくれています」
「親御さんは妊娠したときとか、反対したりしなかったの?」
「反対しました」
「相手は?」
「お兄ちゃんの友達」
「・・・・」

 

事情を聞くと、元々は両サイドの親が子供を産むことに反対していたそう。その相手の男性は、それほど彼女とのことは真剣ではなかったようだけど、妊娠と聞いて、一緒になることを決めたらしい。ただ彼も大学生になったばかり。向こうの家族が、「このまま結婚しても、あなたの将来がないよ」と言い続けたようで、彼女が妊娠8か月の時に彼氏は逃げたらしい。。。

 

どこの国でも似たようなことばかりですな。。。

 

日本はシングルの女性が子育てしながら生きていくには、ほんとに大変な国。フィリピンも大変だけど、日本の方がより孤独です。そんなことをガールズ・プアという言葉を見て思いました。

 

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