大学・大学院時代、それこそ一生懸命勉強していました。当時政治思想史の研究者になりたかったからです。マニアックすぎました(笑) なので、政治、思想史、哲学、歴史、国際関係、昭和、社会問題関連の書籍を片っ端から読み漁り、当時の私の部屋は、大学の教授の研究室のように、本で溢れていました。
それこそ就活の時に「大学時代、何に一生懸命取り組まれていましたか」という質問に、「自分のやりたい研究と、金を稼いで生きること。これだけです」と答えていたほど。
大学3年生ぐらいまでの頃の私は、人生の答えが欲しかったのだと思います。そして自分の居場所も探していたのだと思います。そもそも大学の学費と生活費のため、毎日寝る間もなく、バイトに励む毎日。それでも毎月通帳にはほぼ0円、給料日にはいつも財布に5円しかなかったのです。そこに自分に必要だった研究のための時間。当たり前ですが、膨大な学習が必要でした。友達と過ごす時間などありませんでした。こうした経験のため、京都が大っ嫌いです(笑)
そして毎日多くの本を読み漁っていたためでしょう。自分も世の中のパラダイムを転換できるような理論を打ち出したいと思っていました。
でも現実はどうでしょう。「これがベストな政治理論だ」と私が何か考え、思いついたところで、過去の偉大な政治学者の理論によって簡単に潰されるのです。彼らの洞察は深く、だからこそ、時代を越えて読み継がれているのです。
そんなときです。私の担当の教授がこう言ったのです。
「君が考えるような(レベルの)こと、もう世の中で過去に誰かが考えているって。そういった世の中に全くないものを思いつこうと努力するのではなく、過去の人類が築いてきた知識を学び、先行研究を調べ、その99%の上に、君の1%のオリジナルを加えるんです。それを一生かけてやるのが研究というものです」
この一言が、それまでの自分の発想を変える大きなきっかけとなりました。私には目から鱗だったのです。大きなビジョンを掲げる一方、現実的に何かを実現させる方法として受け取ったからです。
写真は、マレーシア・クアラルンプールの、バツー洞窟への階段です。道のりは遠く見えますが、一歩一歩こんな階段を登るように、地道に頑張るしかないのかなーと思います。
そこからは研究はもちろんですが、まず何かのアイディアを思いついたら、誰かがやっていないかまず探してみるのです。そして実際、先に取り組んでいる事例が成功しているのかどうか、そしてそこに自分が加えることができるものはあるのかどうか。大概自分が思いつくようなアイディアはすでに誰かがやっています。ただ多くの場合、先行者の取り組みは不十分なのも事実です。だからこそ、多くの人に認知されていないのです。
これは、多くの方にとってすごく役に立ち、何にでも応用できる考え方だと思うのです。実際それ以後、私はこの発想のもと、多くの事に取り組み、結果を出してきたと思います。
もし皆さんが何かに取り組みたいと思ったら、まずは先行事例にあたってみましょう。そして1%のオリジナルを加える努力をすればよいのです。100%を自分でつくるなんてしなくてよいのです。これがわかるだけで、何でもできそうな気がしませんか。そしてその種は、どこにでも転がっているのだと思います。ぜひ1%の独自性を加えるために、いつでも世の中のことにアンテナを張り、そして実際に行動してみましょう。そしてみなさんも知っての通り、結局この行動を起こせるかどうかが、すべてなのだと思います。
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