世界の報道ランキングで、フィリピンは138位、日本は72位とされたというニュースを見つけました。
「Philippines 138th in World Press Freedom Index」
http://www.philstar.com/headlines/2016/04/23/1575920/philippines-138th-world-press-freedom-index
「日本の報道の自由度ランク72位、順位10以上後退」
http://www.huffingtonpost.jp/2016/04/20/japan-journalism-liberty_n_9735558.html
対象国は180国。
フィリピンの場合は、昨年と比べると、141位→138位。
記事によると、フィリピンではジャーナリストが銃を携帯しているのは一般的とのこと。よくフィリピンに来た当時、日本で記者だったこともあり、フィリピンではジャーナリストと弁護士は、常に死と隣り合わせだということを聞きました。いわゆる消されるという奴ですね。
前職の上司にも、「ミンダナオの記事書いたら買い取るぞ」と冗談で言われましたが、「辞めたのに、命は賭けないですよ。。。」と言ったことを思い出します。
ただし逆説的に、フィリピンでは国営放送は公平で多様であり、政権批判をすることもいとわないし、インターネットも自由だとのこと。フィリピン人のFBなどを見ていると、もうそれは自由ですね。
それに対して、日本。
昨年の61位に対して、今回は72位。2010年には10位だったものが一気に悪化していると評価されています。
日本の報道状況に関しては、いろいろなことが言われていますが、その是非は私には調べようがないので、置いておくとしても、その背景にいくつかの重要な点があるものと思っています。
1点目は、情報リテラシーの問題です。いわゆる、どの情報が真であるかを見極める力です。大量の情報が垂れ流される時代だからこそ、情報を見分ける力が必須となります。
2点目は報道の質の低下。まずこれだけバカみたいに週刊誌の話がテレビをにぎわすとかどうかしているなと思います。芸能リポーターとかを、これだけテレビで見るとか、はっきり言って残念でしかたないですね。あんなの仕事として評価できないですからね。またテレビ番組、ツイッター、ブログの内容を記事にすることが横行しすぎで、それを「記事」と言っていることに恐ろしさを感じますね。質がやばいです、マジで。
「そんなの記事なわけないだろ」が、プロだった者としての意見ですが、プロでも他社などでまがいものをたくさん見たのも事実なので、素人に毛が生えた程度の人が多い現在、記事の質は低下する一方でしょうね。
そうすると、情報の質が悪いことと情報の選別をすることに辟易して、「必要な情報も観なくなる層」が生まれます。
そうすると、質を評価されないままの垂れ流しがさらに続き、質の悪い情報が多くの人の「標準」になりかねない事態が起こります。また必要な情報も同時に多くの人に届かない状況が生まれると言うことです。これは危険だなと感じていますが、変えるのはほぼ不可能ではとも思っています。それは、改善は「悪いことが起こっているという認識」を前提にするからで、そうしたことが問題にならない場合、変えるという行動は起こらないからです。
そして日本の72位という順位は、FBに国の悪口を書くと逮捕される韓国(70位)より悪いということです。
何でもかんでも報道すればいいという姿勢は、記者当時も反対で、上司と喧嘩したり、口論したことも多数ですが、報道の自由が失われると、かなりやばい状況が生まれるのは歴史を見れば明らかなので、少なくとも海外からそう見えているというのは、全く無視していいということはないと感じています。
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