久々に日本で和式トイレを見て、立ち止まってしまった。
そうか。フィリピンにはない。
フィリピンの多くは洋式トイレ。もしくは、ローカルの家やバス停にあるタイプ。便座がなく、もはやどう用を足すのか分かりかねる小さな便器。セブでは大きくわけて、この2つしか見たことがない。
アキレス腱を切って以降、両足を並べて、座ることができない。アキレス腱を切った方の足首が曲がりきらないのだ。なので、和式トイレが意外とキツイことに気づいた。
一方で、この和式トイレが日本人の足腰を鍛えたのだとかつて聞いたこともある。真相はわからない。
小さなころ、うちはボットン便所の家に住んでいたことがある。父方の祖父母の家もそうだった。若い人たちはそもそもそんな形態の便所を知らないかもしれない。便器の下に空間があり、単純に便がそこに溜まっていく。そんな形態の便所を、通称「ボットン便所」と呼んでいた。もし間違ってその便器に何か落としてしまったら(典型的には財布)、もう「さよなら」だ。落としたものは、便の中に埋まり、もはや便になる。
ボットン便所は、一定期間に収集車が来て、便を持ちかえる。だからその車が来た日は、匂いが近所に充満する。夏はハエがすごく発生するので、釣り下がる両面テープを天井から垂らしていた。そこにハエがくっつき、ハエは息絶える。その数がすごくたくさんになると、なぜだか命を感じた。
和式トイレで小さい頃のことを少し思い出し、すごく便利な世の中になったと感じた。ウォシュレットなんて、あの頃は考えられなかった。
日本という凄く発展した国。まだまだ色々なものが足りない国、フィリピン。いろいろシンクロするし、やがては日本からこの和式トイレも消えるのかもしれない。少しノスタルジーな気分になった。
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